和尚のひとりごと “短くも長くも笑顔で過ごせる生き方”
今年も二月十五日を迎えました。
お釈迦さまが亡くなった日、
お釈迦さまを偲び
教えのありがたさを思う一日です。
自らの命をもって生あるものは必ず滅す、
その現実をお示しになられた
最後の教えです。
私たちは、
この世に生を受けた以上、
死に向かってすすんでいます。
どんなにいやだと思い、
ゆっくりと
人生を過ごしている気になっていたとしても
時は刻まれていき、
一年が過ぎていくものです。
平均の寿命に近づいてくると
徐々に身体も言うことをきかなくなり、
思うように動けなくなってきます。
これが
お釈迦さまの説かれた
“老い”
だれでも年齢を重ね、
場合によっては
病気に見舞われ追いうちをかけられる。
そして…死を見つめる瞬間が訪れます。
なにもお釈迦さまは
悲観した人生を説いてはおられません。
その現実を知ってこそどう生きるか、
その知恵を得るきっかけを与えてくださっているのです。
やがて老いていくなら
いまのうちになにをすればいいのか。
人生限られた時間なら
いかに満たされてわが時間をつかうか。
そんな
生き方の見直しを伝えるために
お釈迦さまは、
この世に生きる
すべてのものたちの
別れを惜しむ悲しみにつつまれながら
滅されたのです。
これは、
お釈迦さまだけではありません。
私たちひとりひとりは仏さまと同じ、
周りで命尽きていくひとたちも、
お釈迦さまと同じ教えを伝えながら
この世を去るものなのです。
自分の人生のなかに
ときどき生き方の見直しの時間を作ってくださる、
それだけに
命は最後の最後まで尊い存在なのです。
二月十五日、
今日という日を過ごしながら
生きていることに感謝しましょう。
そして、
あなたも仏、私も仏、
お互いが
尊い存在として出会い
結ばれていくご縁を大事にして、
いまのあなたがはじめる
なにかをさがしてみてください。
きっと、
知らなかったことがひらめき、
新しい生き方が見えてくると思います。
本日の涅槃会、
西光寺にも見学の団体さまがお見えになりました。
お説教をと依頼されましたので、
いつものように
明るく笑いをとりながらお話させていただきました。
30分の予定でしたが時間オーバー、
でも本堂のなか、
お釈迦さまの前で笑顔の花が咲きほこっておりました。
短くも長くも、
笑顔で過ごせる生き方が、
やっぱり一番と…私は思います…和尚のひとりごとでした。
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