和尚のひとりごと “今日の日常です”
寒中お見舞い申し上げます。
一月も後半、
一週間あまりを残すのみとなりました。
季節的には
春を感じる景色に巡りあえることは
少ないですが、
確実に
一日一日
季節は移ろい
春の息吹が支度を整えていることでしょう。
ここ西光寺も普段の静けさが、
冷たい境内の空気につつまれて
時を刻んでおります。
私的には、
まだ新年会も数回残されており、
気の合う仲間たちとのひとときが
楽しみでもあります。
さて、
先週は滋賀県の実家にもどって
お寺の用事を済ませてまいりました。
もどるといつも感じるのですが、
やっぱり落ちつくなと。
見慣れた景色は
開発によって変わってはおりますが、
遠くに見える山々の姿は子ども時代のまま。
あの頃を思い出させてくれるものが
私の心に安らぎをあたえてくれます。
年老いた両親をここに残して静岡県へと、
高校生の時に
自分で考え決めたこととはいえ、
二人暮らしさせている自分自身に、
これでいいのか?
と問いかけることもあります。
その代わり自由が作れるいま、
ようやく
足をはこび例年の回数以上
顔を見にいっております。
先々週に降った雪が
境内に残っておりました。
その雪をならしていた母親の姿を見て、
寒風にさらされても
いつも
変わらぬようにからだを動かしていることに、
私の知っている母親の普段が
目の前に広がりました。
まもなく人生九十年、
頭が下がります。
私にも、
ここに住む両親にも、
日常があります。
離れていても
いつもの日常が過ぎていくのでしょう。
大雪警報が発表された帰り道、
二日間の時間ではありましたが、
雪が落ちついたら、
また近いうちに
いこうと思っております。
そのときは
春をお土産に持って行きましょうか、
立春を過ぎた
暖かい季節を背負っていけたなら
どんなに楽しいでしょうか。
形的には難しくても、
せめて気持ちくらいは、
そんな思いで田舎へ、
琵琶湖の畔に向かいたいなと。
琵琶湖湖岸の桜は美しいです、
その景色を今年も両親に見せてあげたい、
“春よ早く来い”
そんな私の思いを知った裏庭の梅の木が、
“よしわかった”
と可憐な白い花を咲かせてくれました。
一足お先に心が桜色に染まった私の…
今日の日常です…和尚のひとりごとでした。
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