和尚のひとりごと ”ありがとう 梅”
もうすぐに立春、
新しい春が訪れるその日を目前にして、
2月2日午後9時、
わが家の居候である黒猫の梅(うめ)が、
お寺の部屋のなかで仏さまのもとへ旅立っていきました。
兄弟であった黒猫の松(まつ)がこの世を去って一年、
先に旅だった兄弟のもとへと、
冬の空をのぼっていきました。
お檀家さまよりいただいた母猫が三匹の黒猫を生み、
お寺の境内で育ち大きくなりました。
雄猫の三匹、
身体の大きな順番で、
松(まつ)、竹(たけ)、梅(うめ)と名前をつけてお寺の境内、
自由にさせてやりました。
そのうち竹がお寺を離れていなくなり、
残った松と梅が
参拝に訪れるみなさまのお迎えをしてくれておりました。
時には、
お参りされたお嬢さんの膝のうえで眠ったりと、
たくさんのみなさまに可愛がっていただきました。
病気で松が他界したあとも、
お参りされたみなさまのそばに寄って、
可愛がっていただいていた梅です。
縁あってお寺で生まれ育ち、
たくさんの人に名前を覚えていただいていた
わが家の居候の梅。
まだまだ若い猫ではありましたが、
病には勝てず、
数日で弱っていきました。
ここで過ごした年数は少なくとも、
「西光寺の黒猫」
としてちょこっと有名になり、
記憶に残る存在であったと思います。
人の命も動物の命も、
草木の命も、
自然そのものが小さな命の集合体、
すべてが尊い存在です。
お寺でしっかり働いてくれた梅のことですから、
松と同様、
仏さまがお救いの手、
慈悲の光を照らして下さると信じております。
梅が旅だった翌日の今日、
よく梅も散歩しておりました裏庭には、
春の訪れを伝える使者、
梅の花が咲きほこっておりました、
ありがとう梅、
あなたと過ごした日々を忘れないよ…合掌…和尚のひとりごとでした。
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