西光寺
時宗 東福山 西光寺
時宗 東福山 西光寺

Saikouji Blog

和尚のひとりごと ”一遍さんをさがせ”

今日から十月となりました。

暑さ寒さも彼岸までと言われる九月が終わって、

いよいよ本格的な秋の景色を楽しめる時節となります。

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今日の一日は、

恒例の托鉢、

といいましても、地元のお寺さまといっしょに、

毎月一日に町内を歩いております。

それぞれ宗派が違うお寺さま同士、

大切な交流の場でもあります。

時折、

それぞれのお寺さまにお墓をお持ちのみなさまが声をかけて下さり、

ありがたい浄財を納めて下さいます。

毎月、

托鉢にて集めさせていただきましたこの浄財は、

春の花祭りの運営に使わせていただいて、

町のみなさまへ還元させていただいております。

朝から多少の雨模様でしたが、

そのなかを歩かせていただきました。

さて、

話は変わりますが、

先日、

西光寺にお墓をお持ちのお檀家さまが、

ご相談にお見えになりました。

私がここを訪れた

30年前からおつき合いさせていただいております

六姉妹のみなさま。

お兄さまは、

太平洋戦争で出征、英霊となられました。

残されたご兄弟は妹さんばかり。

ご両親が亡くなったあと、

みなさまがそれぞれ協力されながら、

お墓とご仏壇を守ってこられました。

江戸時代より代々と続いた家系です。

みなさまお元気な頃は、

六人仲良くお寺に集まってご法事をお勤めになっておられました。

いまは、

お一人が亡くなり、

もうお一人も病院生活、

「みんな年をかさねました」

とお話になりました。

さて、

今回のご相談は、

ご仏壇を見ていただいておりました

一番上のお姉さまがお亡くなりになって、

守る人がもうおられないということで、

お姉さまが日々ご供養なさっておられました

ご仏壇の御位牌をお持ちになりました。

私もそのご事情はよくわかっておりましたので、

「お寺で預からせて頂きます」

と御位牌堂に納めさせていただきました。

これからは、

菩提寺のなかでご仏壇の御位牌をご供養させていただきます。

このご相談のおりに、

もうひとつお持ちになったものがありました。

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西光寺の宗派、

時宗(じしゅう)を開かれた一遍上人(いっぺんしょうにん)のお像です。

昔、ご本山の遊行寺(ゆぎょうじ)で販売されたものだと思うのですが、

私が西光寺にはいった年よりも十数年前、

西光寺経由でお買い求めになっておられたのでしょう。

そのお顔の表面は、

お線香の煤でつやつやされております。

毎日のように、

どれだけお線香を焚いて日々お参りされていたか、

それを見るだけで、

信心深いお姉さまのお姿が目に浮かびました。

一遍さんは、

いまから800年前の鎌倉時代、

全国津々浦々を歩かれ教えを広められました。

とてもまねのできないご修行を重ねて生涯を終えられました。

このお像も長い時代と時間を経て、

今回お役目を果たされ、

もどるべきもとの西光寺にお帰りになられたんだと、

とても感慨深く、

そして感動をおぼえ、私の心は熱くなりました。

現在このお像は、

西光寺の書院に納めさせていただき、

日々訪れて下さるみなさまを、

そっと見守っていただいております。

西光寺を参拝のおり、

この一遍さんのお姿を見つけることができましたなら、

見つけたあなたには

いいことがあるかもしれません。

いいえ、

きっといいことがあるでしょう。

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どうか、

西光寺にお越しのおりは、

『一遍さんをさがせ』

そんな楽しみもあっていいと思う、

遊び心いっぱいの住職がここにおります。

一遍さんの修行の旅のことを『遊行(ゆぎょう)』と呼びます。

『遊』という漢字がはいっておりますから、

遊び心満載でこれからもみなさまと接していきたい、

それが私が理想とする住職の姿であり、

私らしい生き方だと信じております…和尚のひとりごとでした。

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