和尚のひとりごと “そこだよね”
三連休の日曜日、
みなさま如何お過ごしでしょうか。
秋のお祭りの賑やかさと、
どこからか聞こえてくるお囃子に心踊らせて、
五穀豊穣と
世界の安寧を神々に祈っておられるでしょうか。
本格的な秋模様に染まり、
お金と時間が許すなら、
いまだけ出会える
瞬間の絵画ともいえる景色や風、
日本列島彼処、
そんな原風景を訪ねる時間に
身を委ねるのもいいことだと思います。
もちろん、
摩天楼が聳える大都会の片隅で
ひっそりと
グラスをかたむけるあなたも、
日常の私を離れて、
またちがう私に出会い、
気がつくかもしれません、
私って…いいじゃない…と。
そんなお出かけ日和に
恵まれましたこの三連休、
縁結びの聖域も静かな時が流れております。
訪れる人の影もなく、
足音が響くこともお休みの参道に
ゆったりとした落葉が眠っております。
きっと、
あの高い木の上から見える景色を眺めながら、
あこがれた思いを叶えようと
落ちてきたと思うのですが、
気まぐれな風はどこへやら。
じっと待ちつづけるその姿がけなげで、
早く早くと母なる枝は、
見守っているのかもしれません。
そんな不思議な世界を
思い浮かべることができますのも、
今日は、
だれも来ない一日を楽しもうと、
すでに私の心は、
遊びはじめております。
もちろん、
遠くの世界や
風景に出会いたい思いもありますが、
それはそれで、
楽しみは、
あとにとっておいて、
いまのここを楽しんじゃおうと思います。
あなたは、
どうですか?
その場所が…
一番のお気に入りだからこそ、
遠くまででかけたい気持ちを叶えて、
知らない街に過ごしていても、
やっぱり
帰りたいと…
だんだんと思うものでしょう。
ちゃんと
一番の落ちつく居場所を知っているあなただから、
今日もでかけられなくても、
それがベストの選択。
私がお寺の空間につつまれて
揺りかごのような感覚になれるのも、
ここがいいからです。
だから、
まずは、
その場所を
もっともっといいところにして、
旅先で見あげる空、
もうあそこに帰りたいよと
青いキャンバスに指で…
書いてみるあなたになってほしいと思う私です。
帰れる居場所、
帰ってもいい居場所、
やっぱり、
そこが一番。
人として落ちつくのは、そこだよね。
お出かけだけが楽しみじゃない、
気兼ねなくすべてを開放できる
普段着の心で過ごせるからさ…和尚のひとりごとでした。
コメント
和尚のひとりごと “そこだよね”のご感想やコメントをお寄せください。