和尚のひとりごと “さらさらと”
二月にはいり、
暖かな日がつづいております。
今朝も早朝、
散歩をしておりましたが、
川沿いを歩いておりますと、
植えられております
桜の木の枝には、
大きくふくらんで
そのときを待っている蕾が空色と重なって、
春の景色の支度、
主役は…
また私たちと言いたげに、
いまは、
おとなしく眠っておりました。
週間予報によりますと、
お天気も一日一日
雨の日を繰りかえしながら、
本格的な春をはこんでくるのでしょう。
暦では、
立春も近づいてまいりましたので、
もう、
気分は春模様でいたい私です。
さて、
いつものお店で過ごしておりますと、
まわりでは、
楽しそうに語らうひとたちが…
いい時間を描いておられます。
穏やかでのんびりとした様子は、
笑顔が咲きほこり、
桜の花たちよりひとあしお先、
美しいお花畑のようです。
季節と季節の節目、
明日の節分を迎えますと、
あちらこちらで豆まきの声が響き、
恵方巻きを味わうひとたちも
たくさんおられることでしょう。
日本列島、
場所によりますと気温が下がって、
雪の地域もあるようですが、
その雪に隠された地面では、
確実に小さな緑が育って、
雪どけ水の潺に照らされながら、
風と遊ぶその日を思いうかべて
ジッと待っていることでしょう。
故郷の滋賀県に住んでおりました頃は、
毎年、
雪景色のなか過ごしておりましたが、
ここ遠州地方に
住むようになってからは、
雪が積もることさえ無く、
白い手紙が降ってくる機会も…
めったにありませんが、
たまには、
せめて手紙くらい届いてほしいなと、
心が感じることがあります。
やっぱり、
子ども時代の風景が懐かしくて、
そこに還りたいと思うのも…
またひとというもの。
あの頃の田圃もマンショへと変わり、
春の小川の砂に泳ぐ魚たちも
いつの間にか開発により
コンクリートの水路となり、
春の小川は、
さらさらゆくよ…
私の覚えているあの風景も
だんだんと遠くになりつつあるいま、
せめていまも変わらない
故郷の山が連なる稜線に『ただいま』と、
さらさら流れる小川のように、
うれしくなりにいきたいものです。
そして、
ふぞろいでとりとめもなく
あふれてくる
あの頃の私を思い出す言葉も、
さらさらと流れていきたいですね、
『おまえに会いたい』…と…和尚のひとりごとでした。
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