和尚のひとりごと “そろそろ大きくなろうとしています”
とてもとても
お久しぶりのひとりごとです。
八月は、
お盆のお経と
用事でバタバタしておりました。
七月よりはじまった
お盆の行事も
八月十五日の送り火にて終わり、
一年ぶりに
彼の岸より帰ってこられました
ご先祖さまたちも
満足されて
もどられたことでしょう。
西光寺も一年に一度、
お檀家さまのお家を二百数十軒訪れ、
お盆のお経を勤めてまいりました。
地方だからこその…
あの世との架け橋。
心のよりどころの癒やしは、
無くしてはいけない宝物だと信じていたい私です。
都会では、
このような風習も消えてしまい、
淋しさを感じてしまうのは、
私だけではないでしょう。
唯一、
お檀家さまとお話しができます機会。
ご法事がなければ、
一年に一度も
顔を合わすことがない…もときどきあることです。
やっぱり、
いろいろなお話しをして
結びつきを大切に
育むひとときがあってこそ、
その人柄や生き方を知ることになります。
それがあるから、
永遠の旅立ちを迎えられましたとき、
長く使っておられました
お名前を離れて
法名を授けるその漢字一文字一文字、
人柄や生き方を伝える
選択につながるのです。
お盆に限らず、
お目にかかったときは、
できるだけお話しをさせていただいて、
人となりを、
わたしのなかに
記録していくようにしております。
そして、
そのときが訪れたときは、
ご葬儀の最後に説明させていただいて、
法名のもっている意味を
伝えるように心がけております。
永遠のお名前を
てきとうな文字でおつけすることなど
できませんからね、
それが、
わたしのこだわりなのです。
そう考えますと、
猛暑のなかをお経に歩くことも、
いろいろな目的や意味が生まれて、
暑さやお日さまと
友だちになれると思うんです。
友だちになれたお日さま、
残暑の笑顔は、
もう少し青空に輝きそうです。
まあ、
去りゆく夏を見送りながら、
もうしばらくは…友だちでいましょうかね。
夜の虫の声、
美しい音色の音階に
抱かれながらの“贈る言葉”をささやきながら。
あなたの街でも、
小さな秋は、
そろそろ
大きくなろうとしていますよ…和尚のひとりごとでした。
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