和尚のひとりごと “お寺には…いろいろな指定席があっていいと思う”
五月晴れの一日。
気持ちのいい
子どもたちの日を迎えました。
朝からお日さまも輝いて、
木漏れ日の下を
気持ちよさそうに風たちが落葉をはこんで、
『何処まで行こうか』
とやさしい乗り物は、
愛情たっぷりと
見えない道を駆けていくのでしょうか。
大型連休も後半。
懐かしい故郷や人々との時間を過ごして、
住みなれた家へと向かう流れがはじまっております。
最近、
私も故郷に満々と水をたたえる
母なる琵琶湖に
会いには行っておりませんが、
心で眺めながら、
故郷は遠きにありて思うもの…
のひとときを過ごしております。
本堂に座って境内を眺めておりますと、
お花を抱えたひとたちがお墓参りへと。
おだやかな時間は、
ゆっくりと時計を進めて、
心の時間を楽しんでおられるようです。
縁側に置いてあります椅子には安らぎがあり、
目の前に広がる
木々の緑と語りあえる特別の指定席。
お寺には、
こんな…
いろいろな指定席があっていいと思います。
そして、
そこは、
お檀家さまだけの場所じゃなくて、
そこを好きになる方…
みなさんのお気にいりでいいと思います。
これが、
本来のお寺の役割。
生きているひとたちのために用意された、
この世の極楽の扉。
そこを開放してこそ、
建物にも魂が宿り、
寺院の存在の意味が生まれると…
信じていたい私です。
すべてのお寺さまに
賛同を求めることはいたしません。
もし、
西光寺が気になったなら、
和尚さまが知恵をだしなさいということです。
他人の真似をすることは簡単、
でも、
歴史も環境も様々なお寺。
きっと、
そのお寺さまだからのオリジナルな粧いが閃いて、
求められる聖域へと
変わることができるでしょう。
そして、
大切なことは、
それをつづけること。
一年や二年でやめてしまうなら
最初からやらなくてもいいです。
やってしまえばとことん、
進化させながら
我が一代くらいはつづけてみましょうよ、
時代がさがしていたお寺さんなら、
長くつづいていくことでしょう、
そこにアイデアをちりばめながら。
そして、
時代のお役目が終わったと感じた時、
つぎの一代に
おまかせすればいいと思いますね。
ご住職の一代なんて短いものです。
その短さのなかどう生きたか、
その結果は、
永遠の旅のあとでもいいんじゃないですかね。
『よきにはからえ』
とかるくかるく、
きがるにきがるに…ね。
でも…
そのきがるに来れないところが…
いまのお寺なんですよね…和尚のひとりごとでした。
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