西光寺
時宗 東福山 西光寺
時宗 東福山 西光寺

Saikouji Blog

和尚のひとりごと “ゆっくりゆっくりお寺に向かうのが…やっぱりいいですよ”

津波に、

地震に、

そして、感染…。

これでもかという

自然が襲ってくる脅威と怖さ。

一月の週末を迎えましても、

蔓延防止等重点措置の都道府県が増えて、

人の流れを抑えようとしております。

県境を越えての移動も、

まったく

ダメではありませんが、

動くにも

気を遣う日々を過ごすわたしたちです。

耐える数週間の一日一日を数えながら、

忍耐強く過ごすことにいたしましょう。

そして、

信頼のおける人と会うときは、

お互いに

感染対策を実行しながらの時間、

素敵なひとときを過ごしてと願う私です。

さて、

地方のお寺あるあるのひとつに、

お寺のまわり、

近くには、

お檀家さんが住んでおられることが多い。

これは、

地方のまた地方、

顔なじみの方が多いちいさな町では、

よくある光景です。

どうしても

お寺を求めさがす条件として、

自宅の近くにあること…が多いからです。

西光寺の周辺にも

たくさんのお檀家さんが住んでおられて、

お墓参りも

歩いてのお家がけっこうあります。

お寺まで歩いてお参り、

健康のバロメーターにして、

『歩いてこれる健康を維持して下さいね』

とお話しすることもあります。

すぐそこにお寺があって、

お家によっては、

家のなかからお寺が見えていることも。

そんな近くのお家のみなさまには、

イザ…お迎えが来たとしても

目の前がお世話になる菩提寺。

こんな近くにお寺がありますから、

慌てずのんびり

あの世へは、

ゆっくり歩いて来て下さいと。

そんなお話しをすることが多いのですが、

昨日、

お近くのお父さんが九十五年の人生を全うされて

旅立たれました。

お盆のお経にうかがいますと、

よく、

『お寺が見えているからありがたい、いつお迎えがきても…』

と話されておりました。

そのゆっくりとした

一歩一歩の歩みをかさね終えて、

とうとう、

お寺の玄関まで来られたのですね。

『おっさま、お世話になります』

と挨拶を兼ねながらの距離を歩き通す時間、

九十五年の月日を…ついやしながら。

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お世話になるお寺が近くとも、

極楽の旅路をはじめるご挨拶だけは、

ゆっくりゆっくりお寺に向かうが…

やっぱりいいのですよ…和尚のひとりごとでした。

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