和尚のひとりごと 空からの手紙…とけて消えてしまう…その瞬間が訪れます前に”
日曜日の午後になりました。
午前中のお経をすべてすませて、
午後一時からは、
“住職”を勤めております。
さて、
最近、
感じていることですが、
ご朱印を求めて
訪れる方々が少なくなったなと。
今日の午前中には、
ひさしぶりにお連れ同士、
三名の方が『ご朱印を』とお願いされましたが、
数日ぶりのことではないでしょうか。
これは、
ブームが終わったわけではなく、
西光寺の知名度が、
ある程度、
ピークをうち、
所謂、
あたまうちの状況のグラフを
描いているということでしょうか。
まあ、
地方のお寺として、
まずは、
地元近隣のみなさまに
名前を覚えていただけたならと、
いろいろ
知恵をだしてまいりましたが、
それも
一段落がついたということでしょうか。
もちろん、
新型コロナウイルスによる
感染拡大がひとの動きを止めてしまったことも
原因のひとつになるとは思いますが、
それでも、
近隣の神社仏閣を巡るひとときも
やっぱり一段落、
一巡に
まわり終えたということなのでしょうか。
まあ、
磐田市仏教会の組織
ひとつをとってみましても、
市町村合併前、
旧磐田市内に約四十ヶ寺ありますので、
それだけでも
ご朱印帳が一冊終わってしまいそうな数です。
それにあわせて神社を加えますと、
磐田市内だけでも相当な数にのぼります。
ましてや、
合併しました
周辺の町村の神社仏閣などを、
まだ加えたなら、
数もたくさんになり、
ひとつひとつ…
まわり終えるのも一苦労というものでしょう。
それでも、
昔のひとたちが、
それぞれの思いを胸に秘めて、
自分の足で歩いて
目的の神社仏閣へと参拝された
ご苦労を思いますと、
座れば、
そのまま車が運んでくれる文明の開化、
その便利さに感謝しつつ、
時間をかけて
ようやく
たどり着いた安堵感と喜びくらいは、
いまを生きて、
ご朱印を集めるみなさまも…
もってほしいなと思いますし、
そうあるべきだと願いますね。
きっと、
野山や川を越えて
目的のお寺へと向かう道中は、
カラダの変化も訪れる、
ときに命がけの旅であったのですからね。
さて、
境内を眺めておりますと、
雨をはこぶ風が吹いております。
木々の枝を揺らして、
まるで
雨が近い合図を響かせているようです。
雨が終われば、
冬の到来。
気温も冷たさを増しはじめ、
温かくつつみこむ衣類の出番です。
ようやく訪れる
北の山々からの旅人たち。
白いベールに染まる山々と
景色の美しさに、
まもなくあなたも出会えます。
冬の季節がしたためる空からの手紙も、
“ゆるりゆるり”と舞いながら、
わたしたちに読んでほしいのでしょう、
とけて消えてしまう
その瞬間が訪れます前に…和尚のひとりごとでした。
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