和尚のひとりごと “三十九代目の意地”
十一月十三日の土曜日です。
朝晩の冷えこみは、
晩秋から
初冬のうつろいを感じさせてくれますが、
日中になりますと
気温も高め、
この季節にすれば
暖かな時間が刻まれていきます。
さて、
明日、
十一月十四日は、
古く江戸時代初めより、
西光寺にて
お祀りされております
霊験あらたかな日限地蔵尊の大祭です。
一年…三百六十五日のうち、
一番
ご利益を賜れる日として
お祭りが勤められてまいりました。
古より
十一月十四日を大祭として
勤められてまいりましたが、
より良く
お参りに訪れることができるようにと、
私の時代より、
十四日に近い
十一月の第二日曜日にお祭りを変更して
執りおこなっております。
そして、
本年の大祭は、
本来、
勤めておりました
十四日が日曜日に重なるという
巡り合わせの年となります。
何年かに一度、
巡ってまいりますこの良き日に、
お地蔵さまのご利益を求めて、
お越しいただきたいなと思っております。
朝から支度も進めて、
本堂の準備もできあがってまいりました。
明日は、
大勢の和尚さまにお手伝いをお願いして、
午前9時より午後4時過ぎまで、
ご祈祷の受付と、
それぞれの願い事が叶いますよう
お経を勤めさせていただきます。
もし、
みなさまも
お時間とご都合がつきましたなら、
お経より、
その日のありがたさを感じながら
お参りいただけましたなら幸いに存じます。
西光寺があります旧東海道見付宿には、
たくさんのお寺さまがあるのですが、
そのなかで、
西光寺をふくめて三ヶ寺、
お祀りされております仏さまの大祭を、
この十一月…お勤めになっております。
昔のお話しをうかがいますと、
とても賑やかに足音が響くほど、
参拝されます人々で盛況だったと。
でも、
いまは、
時代も変わって、
その賑やかさも遠くの記憶へと。
三ヶ寺のなか
一番お祭りで有名なお寺さまも、
お祭りの日程を二日間から一日だけに縮小、
訪れる人が減少しているからと。
心の時代とはいえ、
このような風習とお祭りも、
西光寺のお地蔵さまをふくめて、
やがては、
消えていくのでしょうかね。
そして、
いつしか、
それさえ伝える人がいなくなるのかもしれません。
でも、
たとえ
人が少なくなったとしてもせめて、
私の代までは…
できるだけ
続けていきたいと思っているのです。
その先のことは、
私の次…
四十代目の住職に委ねることにいたしましょう…
三十九代目の意地…和尚のひとりごとでした。
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