和尚のひとりごと “やっぱり…本物で着飾りたいですもの”
曇り空のひろがる一日、
おだやかな風につつまれている境内です。
梅雨空がもどってきたとはいえ、
雨粒は遠く、
高い空の向こう側に隠れているようです。
そんな一日、
今日もご法事を勤めさせていただきました。
重なるときは、
重なるのがご法事というもの。
おなじ日に希望されるお家が多いときは、
時間を調整させていただいて、
一時間刻み、
午前から午後へと
お経の響きにつつまれながら
時間を過ごしておりました。
さて、
お坊さんにはその位によって
(お坊さんにもいくつも位があるんです)
身につけられる衣の色などがちがってくるのですが、
わたしの宗派である時宗(じしゅう)では、
紫色が許された時点で一人前と見られます。
年齢的には、
五十歳以上、
そして僧籍三十年(得度して何年経過)ほどが目安となって、
衣の色が変わっていきます。
十何段階ある位をのぼりつつ、
僧侶としての修行を重ねて研鑽、
ご本山に
認めてもらえる立場になれたときはじめて、
紫色が許されます。
もちろん、
多少の上納金と
毎年
納める上納金がアップすることはありますが、
とりあえず、
そこまでなれたら
一人前ということです。
わたしの場合、
総額約四億円の工事費をもって
本堂等の新築工事を完成させた功績をもって、
四十代後半に紫を許され、
僧正(そうじょう)の位まで
あげていただいていまがあります。
そして、
今日のご法事にも
紫色の衣を着ればいいものを、
ただいま衣は、
クリーニングの真っ最中。
いまごろは、
京都の業者さんのところにございます。
手元にもどってきたなら
着るつもりでおりますが、
それまでは、
修行間もない
僧侶とおなじ色衣に身をつつんで、
普段のデニム姿から
和尚に変身させていただいております…
わたしなのです。
まあ、
衣の色を見れば、
修行を積んだ高僧に見えても、
中身は…
ともなわない生涯修行のわたしなのでした。
和尚の裏話、
化繊から絹まで、
材質のちがいはあれ、
いざ買うとなると衣は、
けっこう高価なものなのですよ。
もちろん、
わたしは絹で織られた衣以外、
えらびません。
だって、
やっぱり
本物で着飾りたいですもの…和尚のひとりごとでした。
コメント
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原田さま
ご参拝ありがとうございますわたしのところだけに限らず
お寺ひとつひとつ
訪れたタイミングで
いろいろな場面と
経験ができるものですね和尚
お疲れ様です。
13人の日曜日の午後、参拝しに参りました。丁度 偶然にも日限地蔵さんの前で御祈祷をされているのを賽銭箱の横で見ておりました。ドラも叩いているのも観れてラッキーでした。 これからも参拝しに伺いますので 心の準備運動をお願いします。