和尚のひとりごと “やっぱりここはお寺なのです”
如月の月も
急ぎ足で
去っていく二十八日の日曜日。
弥生の月の足音が聞こえてまいりました。
寒さも遠くへと旅を始め、
暖かさの旅人が魔法をかけながら、
明日の今ごろは、
街中の蕾に
カラフルな彩りを染めていくことでしょう。
遙か北の山を
白く化粧していた雪の精霊たちも
徐々に大地へと還り、
気の遠くなるような時間をかけて地中へと。
わたしたちの命の源、
ふたたび
潤いとなって湧きあがってくる
そのときを待ちながら、
おとなしくしているのかもしれません。
『俺たちはこのまま地上がいい』
と残った仲間たちや、
大地に還ることを忘れた仲間たちは、
一滴一滴寄り添い、
透明の安らぎを集めながら清き流れとなり、
山から街へと、
そして、
大海にそそいでいくその日も近いのでしょう。
そんな心持ちの今日も、
何組ものみなさまが
お参りに訪れてくださっておりますが、
週末の占いの先生がおられる関係もあって、
予約された方がいらっしゃっているのでしょう。
普段の週末、
その様子は見させていただいておりますが、
占いに
こころの拠り所を求めるひとの多さに、
混沌とした
いまの時代を感じているわたしです。
ときには、
占いだけで素通りされてしまっている仏さま、
こんなところに
こんな仏さまがおられたのか…
それに気がつく
ひとりひとりであってほしいと願います。
さてさて、
昨日の土曜日と今日の日曜日は、
東京から
運命鑑定士
蓮華安寿先生が来られております。
もう、
敬語より
普段通り
“安寿”と呼んだ方がわたしらしいので
そのようにさせていただきますが、
西光寺を縁結びのパワースポットと認定した本人。
彼女の鑑定を受けるため、
昨日も今日も
遠く県外からも女性が訪れておりましたので、
人気は相変わらずのようです。
占いの先生に霊能者…
さてさて、
ここはお寺なのか…
そんな錯覚になりますが正真正銘…
やっぱりここはお寺なのです。
そのお寺も、
あと数時間もすれば三月を迎えます…和尚のひとりごとでした。
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