和尚のひとりごと “ひとりひとりが嬉しくなる小さな喜びを”
春を呼ぶ雨が過ぎ去って、
その名残、
春を連れてくる風が吹いております。
きっと、
この風に誘われながら春の季節は、
冬の季節の片付けを眺めながら
用意を進めていることでしょう。
明け方の暗さも
すっかり気が早くなって、
ついこの間まで
真っ暗だった街並みに
お日さまのオレンジ色を染めて、
ワクワクという文字を
空に描いているようです。
私がバトンタッチしてより毎朝、
同じ時間に
梵鐘を響かせていただいて四十年近く、
たくさんの景色の美しさを見てまいりました。
春夏秋冬に彩られていく高い空、
もう少し遊んでいたいという星たちに、
『もう寝る時間だよ』
と諭すように
明けてくる稜線に優しさを感じる私です。
二月は逃げていくように時は過ぎて、
あっという間に
三月が近づいてまいります。
新しい志で、
まだ見ぬステージへと旅立つ人たちも
たくさんおられることでしょう。
新型コロナウイルスによる
感染拡大が落ちつきを見せはじめ、
ワクチン接種もはじまります。
昨年、
大学へと進んだみなさまも、
一度も学校へと行ったことがないとか、
見ているのはリモートの画面だけ、
友だちも知らないままに
一年が過ぎようとしております。
この春のみなさまは、
どんな生活、
ひとり暮らしが待っていることでしょうか。
都会の憧れは、
時に怖さも秘めておりますが、
いまはとにかく
自由がもどってくることを祈るばかりです。
気まぐれな自然は、
ふたたび、
忘れそうになったときに地震を発生させたり、
大雨と強風で人々を苦しめます。
こんなときこそ必要なのは、
大きな話題や大きな喜びではなくて、
ひとりひとりが嬉しくなる小さな喜びを探し、
笑顔を思いだすことではないかなと
思ったりします。
去りゆく冬を見送りながら、
春を待ちこがれる
二月をまだまだ楽しみましょうね。
あなたの笑顔を呼ぶ…きっかけにして…和尚のひとりごとでした。
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