和尚のひとりごと “あなたにそのお姿が見えたなら…笑顔で『おかえりなさい』を…”
八月のお盆といえば、
八月十三日から十五日の三日間。
その前後の数日を合わせて日本列島は、
各企業、
学校もお盆休みとなります。
でも、
今年のお盆はいつもとはちがうお盆。
首都圏から、
故郷に帰省すること自体考えてしまう
日々となっております。
そこには、
大切な人を守りたいという愛情から、
今回は、
あの景色と会うのを我慢しよう、
いろいろな心模様があると思います。
どうしてもという気持ちが勝ったなら、
それを上手に対応出来る方法をもって、
会いたい人が待つところへと向かってほしいと思います。
さて、
お盆は三日間ですが、
お檀家さまのお盆供養は、
八月一日からはじまっております。
毎日毎日、
二十軒前後のお家をまわりながらお経を勤めております。
たくさんの命を遠くの世界へと流していった
長い梅雨空が去ったと思えば、
暑い夏空が還り、
毎日日本列島をつつみこんでおります。
でも、
二十四節気、
暦では立秋を過ぎて季節は秋へと。
確実に
日本の四季は変化を贈りながら進んでいくものです。
そんななか、
私は自転車に、
徒歩に、
車でと、
一軒一軒
お経にまわりながら過ごしております。
お寺さんによっては、
新型コロナウイルスによる感染拡大防止策として、
今年のお参りを
とりやめにされたところもあると聞こえてまいります。
それぞれの和尚さんの判断、
今年は…
お盆も変わってしまった日本の原風景です。
お盆のお経にまわることを、
このあたりでは…
家施餓鬼(うちせがき)と呼び、
ご先祖さまはもちろんのこと、
ありとあらゆる命のためのご供養を、
経典の文字に乗せて称えさせていただきます。
各お家では、
仏さまにお膳を供え、
潤いの水を手向け、
そしてお経の響きをご先祖さまに伝えて、
『お経も終えましたので、
お盆を迎える支度が整いました。
どうか、
懐かしい人たちが待っている
ここへお帰りください』
といよいよお盆の本番を待つのです。
お家にお祀りしていない方も大丈夫。
彼の岸からのみなさまは、
一瞬で移動できる芸達者。
きっと、
その部屋の何処かから
覗いておられると思いますよ。
もしも、
あなたにそのお姿が見えたなら…
『おかえりなさい』と
笑顔で声をかけてあげてください…和尚のひとりごとでした。
コメント
和尚のひとりごと “あなたにそのお姿が見えたなら…笑顔で『おかえりなさい』を…”のご感想やコメントをお寄せください。