西光寺
時宗 東福山 西光寺
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Saikouji Blog

和尚のひとりごと “この指と~まれ”

先日、

お願いがあり勤めた今日のお経、

いつものように

心をこめて称えて合掌させていただきました。

でも、

こちらから請求しなかったということが

原因ではないと思いますが、

最後の最後まで

お布施をいただけることはありませんでした。

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お経を済ませお接待の時間、

お茶をご用意してひと休みのひととき。

そして、

お茶を飲み終えると

お布施の話をするでもなく

そのままお帰りになりました。

ということは、

今日の私のお経は、

お布施の金額に値せずということなんだなと

思うようにしております。

私は心静まる聖域のなかでお経という法施(ほうせ)と、

いつもと変わらぬ…

明るく接する顔施(がんせ)でお接待をさせていただきましたが、

それが金銭のお布施にはつながりませんでした。

きっと、

今回の法施は、

めぐり巡って私の元へと、

なにかしらちがう形や出来事で

もどって来るだろうと思います。

あくまでも、

お布施とは請求するものではなく、

お知らせはしても

強引にいただくものではありません。

こちら側から提供したことに対する

心の穏やかさの証、

それがお寺さまにさし上げる…

お布施だと思います。

長くこの仕事、

天職についておりますと、

こんな経験もあります。

そこをどっしりと構えて、

自らの法力のなさを反省することもあります。

『和尚さんのお経で、とても心が救われました』

と言ってもらえる言葉ほど

ありがたいものはありません。

その言葉を導く心があるからこそ、

喜んで金銭を布施してくださる。

宗教家にもいろいろ、

性格もいろいろ、

対応もいろいろ。

『よこせ』

と無理矢理受けとるよりは、

『まあ、タダでお経をあげてもらってそれが普通…そんな人もいるよな』

それより、

今日の法施が世界をめぐり、

私のところへもどって来る施しが、

いまから楽しみな私です。

この指と~まれ…和尚のひとりごとでした。

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