和尚のひとりごと ”最後のエンジン音は…『ここに来られてよかったよ』…と聞こえた私”
ようやく、
冬の季節らしい日々がつづいております。
気温と景色がマッチングしながら、
眺める街並みも本格的な冬の装いです。
普段でも温暖、
まして
今年のように暖冬傾向でありますと、
遠い北の山々を飾る白い色も望むことができません。
唯一、
見えている白いお化粧といえば富士山でしょうか。
各地のスキー場や、
また
冬のイベントの準備に関わる人たちにとっても、
雪が降らない空をうらめしそうに、
眺めておられるのかもしれません。
これが、
冬の景色の普通とはなってほしくはありませんが、
地球が決めること、
小さな存在の私たちは、
受け容れることしかできないでしょうか。
さて、
昨日は、
長年乗り続けてきました私の車を廃車にいたしました。
もうそろそろ限界が訪れ、
ナビの画面も映らない、
エアコンも効かない、
外観の部品も剥がれはじめと、
毎年定期点検は欠かさず大事に整備してきましたが、
もうそろそろお役目も終わりかなと。
16年目で走行距離168300キロ。
わが家が六人家族になったのを機会に購入、
以来、
故郷滋賀県との往復や旅行、
ディズニーランドもたびたび、
大学生活をスタートさせる長男、
長女、
二女たちの家財道具を目いっぱい載せて、
愛知県、東京都、神奈川県へと。
また、
スキー場を目指して雪道のなか深夜のドライブ。
四輪駆動の安心感が
握るハンドルから伝わってきたものです。
長距離の主役としてはもちろんのこと、
子どもたちと過ごした時間の大多数に登場する主役として、
私の思い出のなかの記憶に刻まれております。
運転免許を取得したあとは、
長男もあちこちへと
中学、高校、大学の仲間たちを載せて
遠くまで出かけた車。
高校卒業式当日、
式典を終えて帰宅した長男が車に乗りこみ、
学生服のまま運転して
学校まで
たくさんの同級生たちを迎えにいったのもこの車。
きっと、
いまは自分の車を運転している長男にとっても、
この車への思いは、
大きなものだったのでしょう。
そんな、
一台に家族すべてが乗りこむという時代も過ぎて、
長男も長女も車を所有、
いまでは、
七人乗りの息子の車に乗っての移動が普通になりつつあります。
それもまた、
時の流れと我が子の成長というものでしょうか。
そんな時間を共有して見つづけてきた車に、
そっと手を差しのべて
『ありがとう』
と囁いて見送る私でした。
『ここに来られてよかったよ』
とそのように
最後のエンジン音が聞こえた私は…
うん、まちがいないと思うのです…和尚のひとりごとでした。
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