和尚のひとりごと “愛の高さは塀より高し”
前回のひとりごとにも書かせていただきましたが、
今週の水曜日、木曜日と、
南磐田保護司会見付分会の年に一度、
県外研修に出かけてまいりました。
お天気にも恵まれて、
青空のなかの研修会となりました。
目的地は小田原市にあります…小田原少年院。
少年犯罪の減少と建物そのものの老朽化によって、
今年度をもち閉院される施設です。
大正年間から
昭和はじめにかけて
建設された木造の各建物がその歴史を物語っておりました。
きっと、
たくさんの少年の更生の道を見守り、
そしてその一助を担ってきたことでしょう。
昔は、
何も無いところで背景は山。
少年院に入所している我が子を、
その山手の道から眺めていた親たちがたくさんおられたと、
研修のなかで刑務官の方がお話しされておりました。
でも、
山手が開発されたこともありますが、
いまはそのような親の姿を目にすることは、
なくなったということでした。
子を思う親の心にも、
時代の流れがあるということでしょうか。
建物が古いだけに、
家庭裁判所にて入所が決定した青少年たちが、
第一印象…こんなに古いところと思わないように、
できるだけ奇麗にしてやりたいということで、
刑務官のみなさまがペンキ塗りなどでなおされているそうです。
一日でも早い退所と、
人の真心を学ばせる意味もありますということでした。
お話しのなか、
青少年犯罪の対象者、
その半数近くが母子家庭という
家庭環境にあると報告をうかがいました。
愛がなかったり、
そこに居場所がなかったりして、
家を出てそのような集団の仲間へとなっていく。
本人の心の弱さももちろんありますが、
元少年刑務所として使われていた
歴史そのものを伝えている塀が、
彼らにとっては、
自由より愛に手がとどかない、
とても高い存在として見えているのかもしれません。
敷地内には、
樹齢450年のクスノキが、
りっぱな枝を広げておりました。
その力強さは父であり、
風にそよぐ葉っぱの優しさは母であると、
見あげながら感じた…私です。
さて台風21号。
とんでもない大きな脅威が日本列島に近づいております。
もう、
なにが起こるか、
なにをもたらすか、
恐怖そのものです。
自然は神というより、
地球のメッセージを伝える配達人。
そのメッセージをどのようにとらえて未来へ向かい生きるのか。
我が子や孫を眺めながら、
次世代からのあずかりものである地球を、
あなたなりに考えてみては如何でしょうか。
くれぐれも命が優先…お気をつけくださいませ…和尚のひとりごとでした。
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