和尚のひとりごと “人間的に冷たいわけではないのです”
梅雨空間近の磐田市です。
西から流れてきた雨雲が、
ときおり雨の時間をとどけ、
おさまったと思っても
どんよりとした空気をただよわせております。
しばらく、
カラフルなパラソルの花々が咲きほこる街の景色、
雨の似合う花の揺れる様子に心を癒やされたいものです。
そんなことを思いながら
ひとりごとを書き残している最中、
手元の携帯電話のメールがひっきりなしに流れてきます。
少し身体の具合がすぐれない父親の様子、
かかりつけの病院の診察の結果、
入院になったと。
もともとかかえている心臓の具合がよくないと。
ふだん、
アルツハイマーの母親といっしょに暮らしていることを考えると
気をぬくことができない日々、
身体への負担も徐々にでてきてあたりまえです。
妹たちが対応してくれていますが、
この繰り返しが、
よくなって退院してきてもまた日常が負担となって、
休まることができないでしょう。
それでも、
母親から離れて一人の病院、
父親にとっては、
辛い身体にあって『ホッと』しているかもしれません。
言葉は、
はっきりとしているようなので、
病院のベッドで治療と休養、
あとは主治医の先生におまかせすることしかできません。
心不全の悪化とはいえ、
急を要する状況ではないようですが、
九十年近く使ってきた身体、
その外側も内側も老いて思うように機能が動かないこと、
いつかは誰もが行く道です。
250キロの距離が東と西、
静岡と故郷を隔てていますが、
常に動じない姿勢は変わらない私です。
そこには、
いつなんどき
なにがおこってもあたりまえの状況にあること、
両親の年齢から覚悟ができている長男でいる、
またそうあるべきと思っているからです。
そして…
だからこそ、
時々故郷に向かい両親と過ごすその僅かな時間でさえ、
一分一秒の大切さを誰よりもわかっている私なのです。
時宗(じしゅう)の教えを
自分自身の生き方に刻んだ僧侶としてもね。
人間的に冷たいわけではないのです…和尚のひとりごとでした。
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