和尚のひとりごと ”５４歳”
昨日の誕生日をもって、５４歳となりました。
縁ある土地とはいえ、
生まれも育ちもちがう私が住み始めたのがちょうど３０年前、
大きな旅行鞄ひとつを背負ってやってまいりました。
それからいろいろなみなさまと知り合い、
顔なじみとなり、
まるで磐田生まれのように見て下さるかたもおられます。
それだけ、この町と染まった証でしょうか。
お寺に入って生活するということは、
気配りや協調性、ときには我慢も必要です。
この若い時代を乗り越え、ひとまわり大きくなってはじめて、
一人前の僧侶としてのスタートです。
過ぎてしまえばその時代もあっという間の出来事、
いまを大事に生かせていただいております。
住職とはいえ、
孫のような世代、ご年配のみなさまへの意見も通らず、
いわれるがまま、常にここでの慣習と風習に学び、
諸先輩からいただくご意見や助言を支えにして過ごしてまいりました。
その苦労というか、経験があってはじめて、
数百軒のお檀家のみなさとのおつきあい、
絆ができると思います。
若くともいきなり自分の思うように進むような立場であったら、
いまの５４歳の私は無かったかもしれません。
経験は明日の自信を生み、忍耐は強さを育みます。
そんな気持ちを胸にまた一年、
年を重ねたと言うことでは無く、
まずはこの５４歳を「楽しんでやろう」と思う私です…和尚のひとりごとでした。
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