和尚のひとりごと “あなたに足らないのはあとひとつ”
私の日常…
毎朝、
午前四時過ぎ、
誰よりも早く目覚め本堂の支度をはじめ、
これは、
午前さまで帰ってきても
睡眠時間二時間であろうと三時間であろうと、
昔から変わらない朝の私。
この街に朝のおとづれを伝える鐘の音色を響かせて、
もう三十二年。
どれだけの人たちが聴いてきてくれただろうか。
最近は、
猫までも境内で朝を迎え聴いている、
そんな微笑ましい時もあります。
ここに来たときは、
まだまだ本堂も昔のまま。
江戸時代初期の建物、
江戸時代中期の建物のなかで暮らしはじめた二十代はじめ。
冬の季節は、
本堂の花瓶の水も凍り、
寝ている部屋も冷えきって、
目覚めた顔は冷たさでこわばっていたことを
ふと思いだすことがあります。
あの頃を思うといまは幸せだと。
両足の調子がいいと、
サラリーマンが出勤を急ぐ時間帯に平日は10キロのランニング。
一日で一番季節を感じられる時間です。
イヤなことも忘れて、
ただ目の前の道を進む。
流れていくお茶畑の緑が心を洗い、
その日の風が友となっていっしょに走ってくれます。
走る人、散歩する人もまばらな早朝。
この時間の良さを、
そしてこんなにいい風景が迎えてくれる道があることを、
この街の人は知っているだろうか。
見慣れた道もその時間で表情が変わるもの。
その変化がまた楽しくてここまで走ってくる私。
汗は流すがお金は流さない。
一時間少しのひとときを終えたあとは、
前日の服をいっしょにまとめて洗濯、
それを干し終えてようやくホッとする時間、
ここまですべてひとりでこなしている。
自分の洗濯物は自分でこなす。
その服の大切さを知っているから、
その人に洗ってもらって服たちも幸せだと思うから。
冬の季節も北の山へと帰り、
お世話になった冬の服もクリーニングへ。
いつものお店もまだ開店時間前。
ちょうど一時間あるから
隣のスタバでブログを書くのにちょうどいい。
自分のできる自分のことは…自分でする。
その大切さ、
意味が理解できたなら、
世のなかの男性陣もひとまかせでは無くて、
自らすすんでやるようになるだろう。
些細な…なかに本当の幸せって隠れているものなのです。
本当の幸せだからこそ満たされるわけで、
うわべだけのものに幸せ感を求めてもいつかは満たされなくなって、
またつぎを求めてしまう。
あなたに足らないものはあとひとつ、
『幸』という漢字、
書き順…
最初の一本線があなたに求めてほしい…
あとひとつの心の持ち方。
その一本線が無いから、
見つからないから、
気づかないから、
ひとは…
『辛』く…生きてもがき苦しむのです。
ほんとうのしあわせまであとひとつ、
そんな
あなたらしい“あとひとつ”を
さがしてみる四月のひとときにいたしましょう。
そろそろクリーニング店の営業時間となります。
このブログをしたため終えましたので、
お店に向かうことにいたしましょう。
ただいま平成三十年四月一日、
日曜日、
午前九時三十分…和尚のひとりごとでした。
コメント
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お便りありがとうございます。
人によって、
なにに幸せを求めるのか、
なにに幸せを感じることができるのか、
人それぞれだと思います。どんなにそうしようと思っても、
心の晴れ間は隠れて、
ずっと曇り空…時々雨。でも、
この心の曇り空も結局は自分自身の心がそうさせていて、
まずは、
ぽっかり穴が空く
その原因を知るところから始めて見るといいと思います。いっぺんではなくても少し少し。
原因がわかって対処、
心の処方箋の光明が見えてくる、
そんなことを思うところから歩きはじめてみませんか。答えが見つからなくてもいいんです、
まずは思うところからで。あふれる 涙も正直に生きている証、
流すことは悪いことではありません。私のひとりごとにたどりついてくださって、
ありがとうございます。和尚
あとひとつの心の持ち方しだいで幸せを感じることができる。
私らしいあとひとつを探すことができたらなんて素晴らしいでしょうか。
日々の些細な幸せに感謝し過ごすようにしていても時おりポッカリ穴が開き寂しさに涙が出てしまいます。