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時宗 東福山 西光寺
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Saikouji Blog

和尚のひとりごと “安堵”

大型連休も終わって

いつもの時間がもどってきました。

日本列島大移動、

お休みが続いた数日間は、

各地で大渋滞、

人の多さであふれていたことでしょう。

我が家では、

もうすべて大人の年齢となり

全員でどこかに出かけるということは

無くなりました。

それぞれが

それぞれの都合と計画、

予定で動いております。

そういうわけで

この私もマイペース、

自分の時間を大事にするようにしております。

ただ、

故郷の両親の様子と身体の具合が思わしくないですから、

故郷の往復で時間を費やして、

そして過ごしておりました。

このひとりごとを書いているのも病院の食堂、

父親の手術が終わるのを待っている

待機時間をつかって

キーボードを打ちこんでいます。

IMG_7736

周りには同じように待機中でしょうか、

数組の家族が座っておられます。

父親の手術も二月に続いての二度目、

病室で待機しているとき、

これですべてうまくいけば

もう切ることはないのにと話しておりました。

でも、

今月末には、

今回の結果と経緯、

あと父親の体力と心臓の負担が大丈夫となれば、

大きな手術が予定されております。

その話を伝えながら、

とにかく今回の結果が

より良きものになることを待っているこの時間です。

前回の時は

局部麻酔で終えた父親も今回は、

心臓の負担を考えて全身麻酔でと、

その点が私の不安材料のひとつとなっております。

毎回のように感じるのですが、

手術における

家族同意書に署名するときの心の重たさは、

いいものではありません。

できることなら

次に予定されている手術で

最後にしてほしいと思う私です。

こうして過ごしている間も、

周りの人たちは、

かかりつけの医院より

すでに処方されておられる薬の引継ぎの説明や、

準備が整った病室へと、

お名前を呼ばれて歩まれていきます。

お年を召した方から

まだまだお若いお嬢さん、

病棟の長い廊下、

施設の案内を受けておられる患者さん等、

明日の退院を願う

ご本人と付き添うご家族の思いが、

その後ろ姿にあらわれている

午前中の八階病棟です。

一方、

母親は施設で過ごしはじめて数ヶ月、

出たいという強い思いが感情を高ぶらせて、

だれが面会にいっても

その言葉のあたり所になっております。

アルツハイマーも

一日一日、

進んではいるものと思いますが、

身体が元気なだけに

家に帰りたいという思いだけが、

その時

その時

はげしい言葉として

でてくるのでしょう。

聞かされる側の子どもとしては

辛いものがありますが、

もう理解力が

低下している現実を心におきながら、

話し相手になっております。

こちらが感情を高ぶらせて叱っても

仕方ありません、

親子だと

どうしても感情をぶつけ合いがちになりますが、

自分をコントロールしながら

言葉もえらんで話しております。

まだ、

私の場合は妹たちが二人いて、

互いに交代しながら様子を見ておりますが、

先日、

こどもの日の報道のように

子どもたちが少なくなっている現実を思いますと、

どんなお子さんにも親がいて

やがて年齢を重ねて老いを迎える、

そのときに支える

数少ない大人になった子どもたちの負担を想像いたしますと、

不安だけしか残らない私です。

つぎの手術のためにつながる今回の手術、

無事に終わりました.

そして、

つぎの手術の必要はしばらく無いと、

「様子を見ながらいきましょう」

というお医者さんの言葉に安堵した…

平成29年5月8日の私です…和尚のひとりごとでした。

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