和尚のひとりごと ”その瞬間から風が秋に変わるのです”
お盆の最終日、
8月15日を迎えました。
朝からご先祖さまも、
あの世へもどる身支度と準備を始められたことでしょう。
わずか三日間のご帰宅、
それぞれのご家族の様子に目を細め、
安心されたことと思います。
ご縁がありますみなさまのもとを訪れ、
元気なお姿にホッとされたでしょう。
西光寺では、
恒例のお盆の時期、
というより、
お寺として一番の大きな法要、
寺施餓鬼(てらせがき)を勤めさせていただきました。
一番暑い日中の午後1時から一時間ほどの法要、
暑いなかをみなさま、お集まりになられました。
毎年、東京からもお見えになる方々もおられ、
とても感謝の法要となります。
みなさまのご先祖さまのご供養と、
みなさまの幸せの功徳を授かる法要、
無事に終えることができました。
ご縁がございますみなさまとお目にかかり、
みなさまとごいっしょに勤められる喜びは、
住職だからこそのものだと思います。
夕方になりますと、
このあたりでは、
お家の玄関で送り火を焚いたあと、
お盆の三日間に供えたご先祖さまへの食べ物などを
お寺に納めに来られます。
これを精霊送り(しょうりょうおくり)といいます。
昔は、
地元の川に流したようです。
魂は海に帰るという意味でしょうか。
最近は、
そのお役目が川からお寺に変わり、
西光寺をえらんで下さった町のみなさまが、
ご家族でご先祖さまを送って来られます。
小さなお子さんが合掌される姿、とても美しい光景です。
この風習だけは、
いつまでも残したいものです。
午後8時、送り火を本堂の前で焚いて、
お盆最後のお経を唱えさせていただきました。
こうして8月のお盆、
一連の行事、
今年も私のお役目が終わりました。
また一年後、
ご先祖さまが帰ってこられるときまで、
みなさま息災でお過ごし下さいと願いながらの合掌とお念仏、
「南無阿弥陀仏」
でみなさまのご先祖さまをお送りさせていただきました。
毎年のことですが、
このお経が終わりますと、
不思議なんですが、その瞬間から風が秋に変わるのです。
私だけかもしれませんが、
こうして季節を感じることができるって、
いまの世のなか、
幸せで贅沢かもしれません。
とっても不思議。
さて、
8月のお盆をお勤めになられました全国各地の和尚さまたち、
酷暑で暑い半月の日々、
お疲れさまでした、
しばらくゆっくりとお過ごしくださいね。
ちなみに私は、
明日の日曜日、
ご法事でお経を勤めております。
お盆を終えましたが、もう少し頑張ってみます…和尚のひとりごとでした。
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