和尚のひとりごと ”松の納骨…わが家の黒猫たち…不思議なことがありました”
ようやく雨の日々もおさまり、
7月の空がもどってまいりました。
海上を進む台風の進路と今後の影響が気になりますが、
今日の一日は例年の青空が広がっておりました。
蝉の声もようやく聞こえ始め、
台風の通過とともに真夏の輝きがつづくようになるのでしょうか。
さて、
以前、ひとりごとにも書かせていただきましたが、
このたび
境内の片隅に動物たちの慰霊塔を建立させていただきました。
このいきさつは、
わが家の居候であった
「黒猫の松」
がきっかけをつくってくれました。
ここで少し、
松の家族であります
わが家の居候たちのご縁を少しご紹介させていただきます。
三年前、
西光寺のお檀家さまから
「猫はいりませんか?」
とお話がありました。
もともと猫好きの家族、
そして境内でも猫の姿を見かけるお寺ですから、
ご連絡をいただけたと思います。
そのお家でも野良猫が子どもを生んで賑やかなお庭でした。
当時、
高校生と小学生であった娘を連れて伺い、
娘たちがえらんで連れてきたのが小さな雌猫、
名前もつけて「黒猫のジジ」
でした。
まもなくジジは、
時々境内をさまよっていた旅する黒猫と関係を持ち、
三匹の息子をもうけます。
その黒猫三兄弟に名前をつけるにあたって、
身体の立派さから松竹梅ならぬ、
「松」「竹」「梅」
と呼ぶようになりました。
ほどなく竹は、
どこかに旅に出て帰ってこなくなり、
母親、息子二匹の黒猫たちが境内を住処といたしました。
その猫たちが
縁結びのお参りに訪れるお若い方たちに評判となって、
写真を撮られるなど人気者となりました。
その松が今年の冬に若くして他界をし、
荼毘をお願いした業者さんから私がお寺の住職と知り、
動物の合同慰霊塔のご相談を受けました。
お寺にその話を持ちかってお檀家さまと相談、
話がまとまって建立のはこびとなりました。
今日、
その慰霊塔建立のきっかけをつくって、
また新しい方々とのご縁を結んでくれる可能性を残し旅立った
松のご遺骨を納めさせていただきました。
慰霊塔完成後、
一番最初に納めさせていただいたのが松、
私自身、
完成したらそうしてやりたいと決めておりました。
松の御霊もようやく落ちついてくれたでしょうか。
夕方、
松のご遺骨を納めるお経を勤めておりましたなら、
不思議なことに母親のジジ、
兄弟の梅が慰霊塔の傍に寄ってきたのです。
血を分けた松の納骨、
お線香の煙が漂うなか、
いっしょにお参りをしているようでした。
「動物もそんな不思議なところがあるのかな」
と思いながらお経を勤めさせていただきました。
生前中は、
他所の猫から縄張りを守り、
亡くなってからは慰霊塔のきっかけを残し、
そして納骨の時には縁ある猫たちが集まってきた、
本当に松はたいしたやつです。
ぜひ、
松が残してくれた慰霊塔にご縁を結んで下さる方がおられましたなら、
ご家族同然の動物たちが旅だったあと、
西光寺に納骨させて下さいませ。
ペットたちのご供養、
境内にお経が響く西光寺をえらんでいただけましたなら、
安らかにお眠りになられることでしょう…和尚のひとりごとでした。
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