西光寺
時宗 東福山 西光寺
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Saikouji Blog

和尚のひとりごと ”あわてんと ゆっくりしていきや”

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早朝の霞の景色から快晴の景色へと変わり、

直射日光の暑さが肌に伝わる一日となりました。

ときおり、

いたずらに通りすぎる風が心地よく、

ひとときの清涼剤のお役目を果たしてくれた日中です。

今日は,

朝からご縁のあります方の四十九日のお経、

お身内のみなさまによって、

お墓におさまり落ちつかれたことと思います。

この仏さまが、

このお家で最後の仏さま。

苗字も絶え無縁となります。

いますぐではなく、

つながりがありますみなさまが、

しばらくはご法事も続けていかれるようです。

生涯独身で急に倒れられ、

その命の灯火を終えられました。

この世のなか、

同じようなことが

日常茶飯事におこることも不思議ではありません。

少子化でひとりっ子、

将来独身、

これからも

そのようなお家が増えてくるのではないでしょうか。

家を守る、苗字を受け継ぎ先祖をお祀りしていく、

脈々と続いてきた形が将来、

時代とともにどこかに消えてしまうのでしょうか。

そんな時代がいい、わるいではなく、

そのような社会をひとり生きるとき、

寂しさを乗りこえ喜びや希望、

夢を持って歩いていける社会に

なっているだろうかと思ってしまうのです。

『生きる』

とはなにか自分自身で答えを導くことは、

なかなか難しいことですが、

ただひとつ確実なことは、

その時その時の立場でいつかは命を終えるということです。

お釈迦さまでさえ逃れることができなかった死、

まわりの沙羅双樹の木々も花の色が変わり、

永遠の眠りについたお釈迦さまのために、

悲しみをあらわしたといわれております。

笑って最後を迎えることができるでしょうか。

誰もが死という初めての経験をされても、

それがどのようなものだったか伝えることもなく滅していかれるもの。

その時を迎えるまで

死を迎える瞬間のことなどわからないということですね。

少し話が脱線してしまいましたが、

家が絶えていくということは、

これからの子孫も含めると、明日はわが身なのかもしれません。

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ただいま西光寺の夏椿が美しく咲いております。

沙羅双樹の沙羅の木として、

本場インドの沙羅に代わって、

日本の四季に育つこの木がえらばれました。

白く無垢な花びらは、やっぱり白が似合います。

 さて、今日も数組のみなさまが、

初めて縁結びのお参りに訪れて下さいました。

それぞれの思いはちがえど、

あわてんと、どうぞゆっくりしていって下さい、

それがここの良さを知る一番の近道です…和尚のひとりごとでした。

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