和尚のひとりごと “北の国の鴎たちよ”
十一月にはいり、
紅葉も進むかなと思いましたが、
この街だけに限らず、
日本列島、
北海道まで記録的な暖かさがひろがり、
本来の冷たさと
季節感が遠のいている異常さの…
今日この頃です。
暦では、
立冬を迎え、
本格的な冬の訪れを
見つけることができるはずなのに、
風に揺れる木々や草花も、
とても
気持ちよさそうに
お日さまと遊んでいる様子を眺めておりますと、
富士の山頂を着飾っていた
白いお化粧が消えてしまった理由が、
ここにもあるのかと思う静岡県民の私です。
さて、
数日前、
東北宮城の空の下を駆けぬけて、
残念ながら
完走という記録には、
残りませんでしたが、
まったく悔しさはなくて、
数年ぶりに出会えた北の景色がうれしくて、
もう立ち枯れしている
芒の穂の揺れるやさしさがなんとも言えない
時間をかもしだし、
前に進む足を止めた三十五キロ地点では、
ここまで
よく来たと満足感でいっぱいでした。
いまは、
完走より、
どこまで行けるのか実年齢への挑戦、
三十五キロだって
普段なら車か電車で移動している距離を、
自分の両足だけを頼りに
足音を刻んできた道が、
たしかにふりかえればあるから、
それで十分です。
また、
リベンジできますし、
宮城県まで走りに行こうと思う
私自身を元気な証として、
プラス思考で受けとめようと思います。
結果は結果。
ゴールまでたどり着けなかった
人を拾い走るバスに乗りこむおなじひとたちの表情も、
走り終えてもなお、
両足の痛みと苦痛に耐えて歩く姿は、
きっと、
東北の景色が覚えてくれていると、
信じております、来年…またここで会いましょう…と。
私も三十五キロ地点におられました
審判団のみなさまに、
『ありがとうございました』
とお礼を申しあげて
宮城県仙台市をあとにいたしました。
そのあとは、
いつものように静岡県方向へは…
もちろんまっすぐ帰らず、
もう少しひとりの旅を楽しもうと、
ちがう方向へと向かう
列車に乗りこんでいた私です。
だって、
もともと
『この日に帰るから』と細かいことは伝えず、
いつもどって来るか
わからない私ですから。
線路の枕木をリズムよく響かせながら、
列車がはこんでくれたその先…
そこで出会った景色もまた、
ありがとうございますと
お礼を言いたくなるほどの、
ひとりの私になれた…
うれしい花鳥風月のひとときでした。
北の国の鴎たちよ、
つぎの冬もまたここで会おう。
この港に立つ、
ふたたびの私を待ってておくれ…和尚のひとりごとでした。
コメント
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可能性を見いだせる挑戦は、
いくつになっても大切ですね。そう思う私に、
いつも乾杯ですね。和尚
自分との挑戦は自分を知る良き機会と思いました。
当方も自らの足で、歩きではありますが挑戦し67kmにて気力体力が尽きました。
おかげで一段と自身の可能性が見えました。
磐田から始まり三ヶ日から見る湖畔、自然の景色に助けられ癒されました。