和尚のひとりごと “一人目のひとからはじめてみましょうかね”
日曜日の時間が刻まれていきます。
お天気は上々。
風もよろしい日中の境内です。
午前中のお経が響いていた空間も、
いまは、
風鈴が秋の風と遊び、
ときおり揺れて
奏でていく調べを心にとどけてくれる
穏やかさが、
また、
お寺の良さでもあります。
きっと、
どんな街でも、
どんな地方にも、
この空間があって、
人の安らぎを教えてくれる
よりどころなのに、
なかなか
足をはこぶことはないのが現実。
まだまだお寺とは、
縁が遠い存在なのでしょう。
そんな広々とした場所を
独り占めできる住職とは、
ある意味、
とても贅沢な
時間を過ごしているのかもしれません。
この贅沢感を
贈ることができたのであれば、
わけてあげたいものですが、
ここに来てもらいながら
ひとときの時間を預けていただけるなら、
もっともっと
のんびりとした時間という贅沢さに癒されて、
たまには、
お寺もいいよねと
気づいてもらえると思います。
まもなく八月も去りゆき、
九月のはじまりを迎えます。
お寺にでかけてみるには、
ベストの季節になりますので、
観光寺だけがお寺じゃなくて、
有名な名前だけがお寺じゃなくて、
そして、
規模の大小だけがお寺じゃないし、
まあ、
どこでもいいです、
そこにお寺があるなら、
まずは、
境内の風だけでも
感じようじゃありませんか。
本堂の中にはいることができなければ、
聖域の落ちつきを感じながら、
その空気をいっぱい
カラダにとりいれてリフレッシュを。
もっともっと
日本列島のお寺の扉よ、ひらいておくれ。
悩めるひとたちを迎えて、
ただそれだけでいいから、
それでじゅうぶんだから、
教えも教義も
とりあえず横に置いておいて、
とりあえず…
一人目のひとからはじめてみましょうかね。
あなたの住む
お寺の良さに気づいて下さった、
まだ見ぬこの先、
第一号のだれかのために。
そして、
そんなお寺を探してみようと思ったあなた、
第一号を目指して
でかけてみますかね、
それもまた寒くなる前、
秋の過ごし方に…
似合うのではないでしょうかね…和尚のひとりごとでした。
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