和尚のひとりごと “五十歳代最後の一日に思う…これからの…私の旅”
今日は、
一気に気温が下がると予報。
でも、
本当に恵まれている遠州地方は、
木々を揺らす風さえ
友だちにしてしまえば、
厳冬のなか過ごすみなさまを思いますと
暖かな一日となっております。
西光寺がございます静岡県磐田市、
新型コロナウイルスによる感染拡大、
感染者の発表がつづいているここ数日です。
きっと、
不要不急のお出かけはひかえて、
ジッとお家で我慢されている
みなさまが多いのではないかなと思います。
西光寺の境内を眺めますと人影も少なく、
ときおり訪れて下さいます
参拝のみなさまの足音が響いております。
自由な鳩は境内を散歩しながら、
しばし
パワースポットでひと休みのようです。
高く落ちついた白い雲は、
さあ、
これから何処へ向かおうかと思案中。
できることなら青い空を隠すことのないように、
ゆるやかに
流れてくれと願う私がいます。
今日もお昼をまわり時計の針は午後二時。
午前中からのお経を終えて、
ようやく定位置。
本堂のいつもの席へ。
ここに座っていますと、
揺れる葉っぱとの掛けあい、
心の会話、
安心して
足下をささえてくれる御影の参道、
そして、
空を背景にした街並みが不規則な風景を描いて、
そのすべてがわたしの視線のなかに。
大きなキャンバスは、
この瞬間を記憶におさめながら
五十代最後の一日を刻んでいくのです。
明日には還暦。
六十年間の歩みが思い出となって
また新たな一歩目を。
西光寺の先代、
和尚さんは五十八歳でご逝去。
ご存命ならちょうど百歳。
先代の年齢を越えていく私を
どのようにご覧になっておられるのか。
その言葉の答えを知るのは、
私もこの世を離れて
阿弥陀如来さまの懐につつまれるとき。
それまでは、
のんびり旅をつづけたいと思いますが、
明日はどうなるかわからないのが世の常。
終着駅より
手前で降ろされてしまうのも仏さまのみが知ること。
だからこそ、
いまの時代に相応しい教え、
時宗の開祖、
一遍上人の教え、
“ただいまのお念仏”…
残されている時とともに
六十歳の生き方を実践してみますかね。
好みのワインに好きな旅行に大好きな女性に…
煩悩を背負いながら私の旅は、
まだまだつづくのです。
…あの世への追伸
三年前、
八十八歳でこの世を去った父へ、
あなたの息子はとうとう六十歳になります…和尚のひとりごとでした。
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