和尚のひとりごと “コゲラの恋のゆくえは…”
週末の日曜日、
朝からそぼ降る雨に
木々の緑も静かに、
ただ
雨粒を大地へとはこぶすべり台となって、
優しく揺れています。
いつもなら、
聞こえてくる鳥の囀りも遠くへと。
何処かに隠れて
ジッと雨あがりをまっているのでしょうか。
新型コロナウイルスによる
感染拡大を防ぐ外出自粛要請も、
この街は緩和されつつあり、
人の動きと
車の流れが増えたような気がいたします。
それでも、
まだまだ控えめ。
お家で過ごされる方々も
たくさんおられることでしょう。
ここ西光寺も
一週間前の日曜日と変わらず、
朝からだれも足音を刻まない参道も、
またそのうち
状況が落ちついてきたなら、
きっと訪れる方と出会えると、
その日を楽しみに
待っているように見える境内です。
そんな大人しい木々に囲まれて、
珍しく山からでしょうか、
ここのところ裏山をふくめて…
一羽のコゲラが住みこんでいるようです。
境内を縄張りにしているのでしょうか、
キツツキの仲間、
毎日のように木々に止まり、
賑やかに
くちばしでつっつく音を響かせております。
その規則正しい音が
こんな世のなかだからこそ心にとどき、
小さな小さな自然が贈りとどけてくれる
癒やしの時間に感謝している私です。
いったい
どこから飛んできたのかわかりませんが、
最近では、
山からおりてきて
街の自然に住みつくこともあるそうです。
それだけ、
人も住みやすくなってきた環境、
緑の豊かさが整ってきたということです。
私たちにとりましては、
ありがたいメッセージを配達してくれる…
存在ということでしょうか。
コゲラが木々をつっつくのは、
縄張りの主張と、
恋のお誘いを意味するようです。
ここは、
男女を結びつける
本物の縁結びのパワースポット、
果たして
コゲラの願いは叶うでしょうか。
竹の木の支えで響かせる音は、
コゲラも知ってか知らずか、
それはそれはよく響きます、
まるで太鼓の演奏家のように…和尚のひとりごとでした。
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