和尚のひとりごと “梵鐘の音色も遙か遠くの記憶へと…いつかなっていくのでしょうか”
最近、
テレビのワイドショーなどで
お寺さんの話題として除夜の鐘の苦情があります。
深夜に鳴り響く鐘の音が騒音になるそうです。
お寺さんのクレーム対応策としては、
長きにわたって続けてきた
除夜の鐘の伝統行事をとりやめに、
また除夜の鐘を時間的に早めて日中におこなう等、
それぞれのようです。
除夜の鐘を手伝うみなさんの高齢化や、
お寺周辺の住宅地化、
クレームの理由もそれぞれのようです。
何百年という時間、
お寺の行事としてつづけてこられたところは、
地元の理解も得られていると思いますが、
新たに鐘楼堂を建立して
はじめられたところなどは、
もしかしたら、
地元の理解の薄さ、
そして、
お寺さんとしても周辺への気配りがあるのかもしれません。
除夜の鐘といえば、
日本の風物詩。
旧年を思い新年を望む大事な時間、
梵鐘の音色のひとつひとつが、
響かせている人の思いを乗せているのです。
できることなら消えてほしくはありませんが、
お寺だから言うことを聞きなさいでは、
通らないことも多々あります。
本来は、
地元との密着で歴史を刻んできたお寺も、
場所によっては、
肩身の狭いところもあるのですね。
山の奥に建立していた頃から、
徐々に里へとおりて、
気がつけばお寺の周りは住宅地。
賛否両論あるようですが、
無くしてはいけないものが人々の都合によって消えていく…
とても寂しいものですね。
西光寺もつづけてきた除夜の鐘。
もしかしたら、
周辺にお住まいのみなさまのなかには、
『もう除夜の鐘はやめてほしい』
という意見もあるかもしれませんね。
少子化で子どもの声も消えつつある街、
近い将来、
鐘の音色も消えてしまうのでしょうか。
ただ飾りだけの梵鐘、
それだけはイヤだな…個人的に…和尚のひとりごとでした。
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