和尚のひとりごと “心のなかにある図書館の蔵書”
ものすご~く久しぶりのひとりごとです。
そして、十一月も…もう終わり。
秋の風景は寂しさを残して、
北の山々から訪れる白い妖精たちにその席を譲りはじめております。
そんな哀愁が漂う時節、
昨年のこの時期にひきつづいてのひとり旅に出かけてまいりました。
目的地は北の国、
地震後の復興につながればと飛行機で向かいました。
静岡県も暖かすぎる今年ですが、
北の空港を降りたった景色は、
寒々とした木々の姿に冬景色を描いて…気温は暖かい、
寒いことを予想して持ってきた厚着も拍子抜け、
静岡とおなじ洋服姿で過ごせる暖冬の街でした。
空港ロビーには団体旅行の人々の賑やかさ、
そちらには家族の温かさと笑顔。
それぞれの目的地へとその影が遠くになっていきます。
私は男ひとり旅、
借りた車を走らせ街に向かいます。
見識を深める旅、
すべての出会いと景色、
その時間すべてが心の図書館に刻まれていきます。
いつか…
知識として引きだされるその時まで、
私にとっては大切な旅路です。
昔は、
仲間たちと出かけたものですが、
ただたんにノリと賑やかさばかり、
お祭り気分の旅も、
そろそろいいかなと思い、
昨年からひとりの旅をはじめております。
知らない街、
興味を沸かせるところが目的地。
そこに行って魅力を感じたところに足を進める。
なかなか楽しいひとり旅。
冬の雪景色を期待して出かけたのですが、
そこはそこ、
車の運転にも気を遣わずまっすぐ走り行く車窓。
人生の時間のなか、
ほんのひとときではありますが、
そのひとときの積み重ねこそ生きるということ。
そんな生きていることを実感する旅のシナリオが、
いまの私には一番です。
ニッカウヰスキー余市蒸溜所…香りよい匂い漂う倉庫群。
工場見学のツアーに申し込み、
先人の偉大さと力を学びました。
海の幸、山の幸、畜産の本場が生みだす恵みの味。
ひとつひとつが
このでっかい大地に生きる人たちの情熱と郷土愛を教え、
私の心のなかにある図書館の蔵書が増えていきます。
もっともっと知りたい、
そんな衝動を満たす私の思いは、
すでにまた
この大地を訪れるスケジュールへとつながっていきます。
男ひとり旅は、
風来坊のように風に誘われ電車に飛び乗る、
目的地は東西南北、
私の生き方のひとつなのです…和尚のひとりごとでした。
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