和尚のひとりごと “古い?いいんだよ…それがまた”
紅葉の彩りもすすんで
西光寺の裏庭も燃えるような紅色に変わってきました。
あっという間の時の楽しみを私たち、
そして訪れてくださるみなさまに伝えてくれております。
さて、
そんな季節にもご法事はあります。
遠くの世界へと旅立たれた方を忍びながら誠の心を捧げる、
人としてとても美しくなれる一日です。
ご法事に決まった形などありません。
その方その方のできる範囲、
心から勤めてよかったと思えるものであるなら、
立派なご法事となります。
今日もそんなご法事を勤めさせていただきましたが、
そのお経を終えてお茶を飲んでのひととき、
ご法事に参列されたみなさまと
いろいろお話させていただきました。
お茶を飲む場所は書院、
江戸時代の趣につつまれてのひと休みです。
そんな江戸時代が話のきっかけとなり、
建物の内部、
大きな梁で組まれた天井部分を見あげながら、
この建物を建立された昔の人たちを思い話がはずみます。
私は、
『この建物は文化財ではありませんが、この街の宝物です』
と話しながら、
江戸時代に触れて感じる心、
そのような人がたくさん来られますとお話しさせていただきました。
捨ててしまうのは簡単、
残して維持していくことは大変。
でも
誰かが忘れられたあの頃に思いをはせることができる、
そんな場所はいまの時代だからこそ必要なんだと。
先日も磐田市観光協会、
ボランティアガイドのみなさまが研修にお集まりです。
私が講師となり一時間半ほどのお話を。
まちづくりの担い手として、
これからも磐田市の観光のため励まれることでしょう。
それにしても一時間以上のお話、
私もできるようになったのですね、
話すのが苦手と言ってられない立場の仕事、
普段のかたさを脱ぎ捨てて、
楽しくみなさまと語らった時間でした。
古さが語りの話題になれる、
古いからこそ懐かしさを感じる、
古さも捨てたものではありません、
しっかり心の清浄のお役を果たしながら、
訪れたみなさまに声もなく語りかけてくれるのです。
その効果でしょうか、
私がカラオケで選曲する歌は古い昔の歌ばかり、
いいんだよ…それがまたいいんだよね…和尚のひとりごとでした。
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